■当塾の個別指導とは
伝統ある個人塾ならばどこも、世の中が全体的に個別指導へと移行していくことを、複雑な心境で見守っているはずです。
個人塾というのは、そもそも個別指導というものの本来の持ち味を生かすことのできる場所でした。その意味では
大教室での講義が敬遠され、個別指導の人気があがるのは、うれしいことに違いありません。しかし一方で、
個別指導があたかも量産されるような、なにやら事務的な処理のような仕事の一部になってしまうことを、
やはり悲しまずにはおれません。個人塾が生徒一人ひとりに対して個別に対応していくのは当たり前のことです。
それに、教師が一人である以上、生徒一人ひとりの情報の一切は、当然一人の教師のみによって把握されているわけです。
いくら個別指導とはいえ、科目ごとに先生が違う場合には、どうしても教師の間で責任転嫁が生じてしまう場合があるでしょう。
それから、大教室での講義が敬遠されるのは結構であるとしても、講義そのものが敬遠されてもよいものでしょうか。
個別指導の塾は、当然講義そのものを行いません。果たして本当にそれでよいのでしょうか。
個別指導の指導要領のままに、ひたすら問題を解くという方法を続けて、果たしてどれだけ実力は伸びるでしょうか。
確かにある程度伸びるのは事実ですが、そもそもこれは、本当の意味で実力を「伸ばす」役割を果たしてはいません。
理由は簡単です。本当の実力は、未知の問題を自力で解くことです。だから、ただ問題を解くだけでは、既知の問題を解ける
ようになるだけにすぎないのです。つまり、応用力が養われないのです。では、応用力はいかにして身につくのか。
それは、基礎をしっかり理解することです。基礎を理解するのは、生易しいことではありません。しかし基礎さえ理解してしまえば、
ひらすら問題を解く労力をかけるよりもはるかに早く、そして確実に、実力は上がるのです。
だからこそ、講義はやはり不可欠なものであると当塾は考えます。
以上より、当塾の個別指導の特徴を要約すれば、次のようになります。
個人塾特有の、一人の生徒の学力を一人の講師が把握した上で行う指導。
たとえ一人の生徒に対してでも、黒板を使った普通の講義を取り入れた指導。